結希を見れない。



今見たら、きっと泣いちゃう。



「あのさ…」



「結希、ごめん!
あたし、次の数学の宿題
まだやってなかったんだ!
だから、あたし行くね」



そう言って屋上をあとにした。



廊下を走り抜ける。



何。



何なの。



なんで、あんなに結希は
寂しそうな泣きそうな顔をするの??



寂しいのはこっちだよ…ッ



泣きたいのはこっちだよ…ッ



バカ結希――…



あたしは体育館裏に行って
誰もいないのを確認すると
大声を出して泣いた。