購買につくと結希は あたしの手を離した。 あたしはなにも言わない。 言わないんじゃない。 言えないんだ。 こんな態度とって 急に黙り込んだりして 今さら何を言えばいいかわからない。 結希の背中は 何を考えてるかわからない。 「…結希」 あたしの小さな声に 結希は振り向きもしない。 ただ、またあたしの手を取って ずんずんと歩きだした。