…このサディストめ。
「~っ、 教えてって、そう、言ってんの!」
やっと吐き出した言葉はなぜだか喧嘩口調。
可愛くもなければ、やっぱりというかなんというか、女の子らしさもない。
それこそ、微塵も欠片もない。
それでもなかなかの大声でいったから、今度こそちゃんと聞こえただろう。
皆がいる前で、ひとりいきなり盛大にこけた時のような、誤魔化しようのない、だけども誤魔化したい、そんな羞恥心が私を襲う。
さっきみたいに即座に返事が聞こえなかったことに、不安を覚えた私は「聞いてんの…?」と俯いた
目線をそろそろと上げる。

