「…こういうときは嘘でも僕に見とれてましたって仰ってみたらどうです?」 数分後。 果敢に問題に取り組んだまではいいものの、今までとは比じゃない難問に、見事に行く手を阻まれ た私。 もう、何分も、握りこんだピンクのシャーペンは仕事をしていない。 むむむと皺をよせていれば、「…こういうときは嘘でも僕に見とれてましたって仰ってみたらどうです?」と、先生が冒頭の言葉を吐いた。