彼に強引にされる




「嬉しいです。まさかあの那都さんが僕の心配をしてくださる日が来るなんて……」


「はいはい、勝手に言っててください」



あのってなんだ、あのって。


身を固くしていた私はほんの少し脱力する。


自分で言うのもなんだが、私はスルースキルというものを身につけたと思う。

心を無にするのが大事なんですね、わかります。


…そして、神様。


どうかそんな私を褒めてくれ。

ムツゴロウさんみたいに"よーしよし"って頭わしゃわしゃして褒めてくれ。