彼に強引にされる




決して綺麗とは言えない六畳ほどの狭い間取りに、どかんと居座るふたつのデスク。

デスクとは言っても片方は完全に先生の荷物の置き場所なのだけれど。


壁際の棚のなかにはありとあらゆる教材は勿論のこと、先生の大好きなインスタントの塩味のカップヌードルが陳列されているし、趣味で集めているらしい観葉植物やサボテンも、来るたびにその数を増やし続けている。


たったひとつだけ、設置された小さめの窓からは、遮光カーテンに負けなかった陽光が、ほのかに差し込んで温かい。



一応"第2地歴教官室"とは名前がついているものの、そんなもの名ばかりで、もはやここは文句なしに先生の居住スペースだ。