「10時発、ロンドン行きにご搭乗のお客様様はご搭乗の準備をー…」



うるさいアナウンスに負けねぇくらいデカい声を出して俺のとこまで走って抱きつく雫


「私…ね…秀と出会えて…好きになって…幸せだった。秀はもう私の事なんて嫌いだと思うけど、私ね…秀が日本に帰ってくるの待ってるから…」


泣きながらそう言う雫の声はどこか震えていた


ぎゅうっ


思わず震える雫の身体を抱きしめた


「あの時、嫌いとか疲れたとか言ったの全部嘘だから。新しい女が居るってのも嘘だから…俺も雫が好きに決まってんだろっ」