「………秀ッ!!!」


ざわつく空港で鮮明に聴こえる声
振り向くけど人がたくさんいるだけだった
気のせいだよな…

雫の声が聴こえたなんて―……

ヤバいよな…


「雫行くぞ」

「あぁ…」

足を一歩進めたその時…

「秀ーー…っ」


もう一度雫の声が耳に入った


そこにいたのは愛おしくてたまらないアイツ

「……はぁ―…はぁ―……」

走って来たのか荒い息が耳の横で聴こえる
「お前なんで…ここに…「最後に…最後に…さようならが言いたくて」


俺の言葉を雫の声が渡った


さようなら…言うためにわざわざここまで…