か、かわいい・・・!!
とりあえず答えようと思うのだけど言葉がうまく口から出なかった。
「あ、あの、そのっ、えっと・・・だだ、だ、大丈夫です・・・っ」
少々尻すぼみになってしまったけど、安心してくれたようだった。
「じゃ、学校行こうか」
そう言ってにっこり天使みたいな顔で微笑むと、いきなり私の手を握った。
思わず手を引っ込めてしまうと、悲しそうに潤んだ瞳で見られ、良心が何故だか痛んだ。
「駄目・・・?」
極めつけにそんな言葉を呟かれては手を差し出すしかなかった。
恥ずかしくて心臓バクバクで手を繋いでいると、うちの学校の生徒達がこちらを見ながら何か話しているのに気づいた。
そしてやっと、自分の見た目に気づいた。
太いフレームの眼鏡にみつあみ、長い前髪、今時いない制服の着こなし。
慌てて手を離すと、少し前を歩いていた彼は驚いたような顔でこちらを見た。「えっと、用事があるの・・・っ思い出したので、さ、先行ってます・・っ!あ、ありがとうございました!」