見上げると、息を呑むほどの美少年が私を見下ろしていた。
髪の毛は薄い栗色、目鼻立ちは凛々しくもすっきりとし、整った眉が今はハの字に曲がっていた。
呆然と見惚れていると、何か勘違いをしたらしく、慌てて顔を近づけ覗き込んできた。 その時やっと我にかえり、頬が熱を持つのを感じた。
「あ、とりあえず立てる?同じ制服ってことは、同じ学校だよね?」
手をお姫様みたいに持たれて照れくさかったけど、力が抜けててうまく立てないのだから身をゆだねることにした。
「あの、怪我とか・・・ない?」
心配そうに見つめられて、その表情に心臓が小さく跳ねた。