「雛、だめだよ。」

「ううん、いいの。おやすみ。」

勝手に寝る雛。

「雛あー・・・。」

やっぱり、最終的には僕が負けてしまう。

「言うこと聞いてよ.......」

そうは言っても
もう、いっか。
そういう考えに繋がってしまう。

南家と井波家はお母さん同士が仲よくて。
家が隣。
南家と井波家のベランダはくっ付いている。そしてその接点が僕のこの部屋のベランダ。

何故か父さんが改造して、いつでもこれるように通路を作ってしまった。

全く、迷惑な話。

そのせいで雛が僕の部屋に来るようになってしまった。

「春?もう寝た?」

「寝た。」

「起きてんじゃん。お話しようよー。」

「やだよ。だったら家に帰って。それに、おやすみってさっきいったじゃん。」

「そんなのいいでしょ?」

"いいの"雛の口癖。