「おい! 開けろ!!」
急いで起き上がって扉を叩いても、ノブを動かしても、びくともしなければ外からの反応も無い。
「――くそっ!」
苛立ちに任せて扉を蹴った時だ。
背後に感じた気配に、俺は勢いよく振り返る。
「神宮!」
狭くて、薄暗くて、蒸し暑くて、何もない埃臭いだけの部室の隅に、両足を抱えて小さく踞る、ジャージ姿の神宮を見付けた。
「神宮! おい、大丈夫か!?」
駆け寄ろうと足を踏み出した瞬間、ペキ、と何かが割れる音がする。
埃まみれの足下に落ちていたのは、神宮の眼鏡だった。
「……やっべ」
壊してしまった眼鏡を拾い上げて、神宮の正面にしゃがみ込む。
肩に手を置くと、ビクリ、と大袈裟すぎるくらい、体が揺れた。
「神宮、ごめんな! 俺の所為で、こんなことになって……ほんとゴメン! あー……それから、眼鏡、落ちてるの気付かなくて……踏んじまったんだ。ごめんな?」
神宮は踞ったまま全然動かなくて、相当怒っているのを俺は悟る。
急いで起き上がって扉を叩いても、ノブを動かしても、びくともしなければ外からの反応も無い。
「――くそっ!」
苛立ちに任せて扉を蹴った時だ。
背後に感じた気配に、俺は勢いよく振り返る。
「神宮!」
狭くて、薄暗くて、蒸し暑くて、何もない埃臭いだけの部室の隅に、両足を抱えて小さく踞る、ジャージ姿の神宮を見付けた。
「神宮! おい、大丈夫か!?」
駆け寄ろうと足を踏み出した瞬間、ペキ、と何かが割れる音がする。
埃まみれの足下に落ちていたのは、神宮の眼鏡だった。
「……やっべ」
壊してしまった眼鏡を拾い上げて、神宮の正面にしゃがみ込む。
肩に手を置くと、ビクリ、と大袈裟すぎるくらい、体が揺れた。
「神宮、ごめんな! 俺の所為で、こんなことになって……ほんとゴメン! あー……それから、眼鏡、落ちてるの気付かなくて……踏んじまったんだ。ごめんな?」
神宮は踞ったまま全然動かなくて、相当怒っているのを俺は悟る。


