蜜月 -love is blind-【BL】

「早くしろ!!」


 俺の所為で、神宮が……!!


 ――コイツに謝れば、神宮の居所が分かるんだ。


 自分にそう言い聞かせて、昂ぶる感情を無理矢理に沈める。


 爪が食い込むくらい、拳を握り締めて。

 込み上げる悔しさに唇を噛んで。


 俺は、ゆっくりと、膝を折る。

 暴れてしまいたくなる自分を、どうにか抑えて、両手を、地面につく。


「……生意気で、すみません……でした……ッ!」


 声と気力を絞り出して、頭を下げた。


 屈辱に、身体が震えた。


 悔しさに、土を掻いた。


「お世話、に……っ、なりました!」


 悔しい、悔しい、悔しい!!


 コイツに感じる恩なんて、微塵もねぇのに!

 言う通りにするしかなかった自分が情けない!!