蜜月 -love is blind-【BL】

「そんなにあの可愛いのが大事かよ」

「アンタが気に入らねぇのは俺だろ! 関係ねぇヤツ巻き込むんじゃねーよ!」

「今度は偽善者ぶるのかよ。お前ってホントにムカつくぜ」


 俺に歩み寄って、胸ぐらを掴む。

 俺も負けじと、ヤツのを掴み返す。

 そのまま暫く睨み合ったけど、それじゃ埒が明かない。


「神宮はどこだ」


 痺れを切らした俺は、再び問いかける。

 先輩は余裕そうなツラで「放せよ」と言ってきた。

 渋々俺が手を下げると、ヤツは俺を突き飛ばす様に手を放す。


「そうだなぁ――」


 嫌らしくヤツの広角が上がった。

 見下す様な視線を向けられて、俺は思わず拳を握り締める。