クソ暑いってのに、球技大会の閉会式は校庭で行われた。

 堤に無理矢理推された俺は、仕方なく、バスケの準優勝の賞状を受け取った。

 そうして、漸く終わった今日1日。

 ふと気が付くと、神宮の姿が見えなかった。

 さっさと一人で教室に戻ったんだろうと思っていたけど、HRになってもその姿は見えない。


 ――アイツ、どこ行ったんだ?


 HRに居ないヤツなんて珍しくもないけど、神宮が居ないのはおかしいだろう。

 球技大会の実行委員でも何でも無いはずだし。

 つか、神宮が居ないことを誰も不思議に思わないのって有り得なくね?


 机の横には、アイツの鞄が掛けてある。

 まだ、校内のどこかに居るんだろう。

 もしかして、また倒れたとか!?

 いや、それだったら誰か知っている筈だ。


 神宮と親しいヤツ――って、誰だ?


 もしかして俺、神宮のこと、何も知らない?