部室で制服からジャージに着替えて、スパイクを履く。

 校庭の脇で走り込みをするための柔軟をしていたら、部の先輩2人が俺のところまでやってきた。


「よぉ、高槻。もう練習始めんのか?」


 立ち上がって軽く会釈する俺の肩に、馴れ馴れしく腕を回してくるソイツの名前なんて覚えてないけど。

 春休みの仮入部の時点で何人かの先輩達とはソリが合わないことが良く分かった。


「マジメに柔軟なんかして偉いなぁ」

「……いつもやってることだろ」


 何かと俺に突っかかってくる。

 俺、何かしたっけ……?

 つか、毎日毎日コイツらよく飽きねぇよな。

 お前らこそ練習しろってんだ。