来週の終業式が終われば夏休み、っていう週末。

 清泉学園では、毎年恒例の球技大会が行われていた。

 なんでこんな夏休み直前のクソ暑い時に球技大会なんかやるんだ。

 最初はそんな風に面倒くさがってた俺だけど、勝負事となると気合いが入るみたいだ。

 悔しいけど、クラス委員・堤の期待通りに張り切ってしまった訳で……。


 午前中に出たバスケの試合で、どうにか決勝まで勝ち上がった。

 午後の試合も佳境にさしかかり、残すはバスケとバレーボールの決勝戦。

 その競技種目の現役部員は参加出来ない決まりだが、現役じゃなけりゃ参加することは出来る。

 つーことは、元部員が多い方が有利になる訳だ。

 1ー2のバスケメンバーは、5人中2人が元バスケ部員。

 対する3ー5は、全員が元バスケ部員らしい。

 その圧倒的戦力で決勝までやってきた、とかって、誰かが言ってた。

 俺らは運なのか実力なのか、そこら辺が微妙だけど、折角決勝まで来たんだ。

 どうせなら、勝ちたい。

 勝って、気分良く夏休みを迎えたい。

 高校ともなると、1年と3年を比べた時に、多少の体格差はあっても、劇的な能力差なんてそうそう無い。

 相手は現役選手じゃないんだ。

 現役のブランクは1年の方が短いんだから有利の筈だ。