――くそっ。


 神宮の不機嫌は俺の所為かよ?

 補習食らったのは俺も嫌だけど、そんなに怒ることかよ!?

 お前に聞いたっつったって、ほんの少しじゃねぇか。

 俺は俺なりに頑張ったんだぜ!?


 思わず出てしまった舌打ちが聞こえたのか、神宮が立ち止まる。

 不機嫌な後ろ姿を見詰めて俺も立ち止まると、振り向かずに神宮が言った。


「……まぁ、君にしては、頑張ったんじゃない?」

「え……っ?」

「補習、サボらないでちゃんと出るんだよ」


 な……っ、何だよ、急に。


 再び歩き出す神宮の後ろ姿を見詰めたまま、俺はひとつ、息を吐く。


「ホント、素直じゃねーヤツ」