「そうだったんだ。大変だったんだね」

「結果的に受かったから問題無いけどね」


 そりゃそうだろう。

 入試の結果なんて、入学しちまえばその後の成績には何の問題も無いしな。

 それに、2組に居たって学年首位取れるんなら挽回もきくし……て、おかしくないか?

 2組のグダグダな授業で学年首位って、コイツどんだけ勉強してんだ?


「不服そうな顔だね。俺が首位で不満?」

「や、そうじゃねぇよ……」

「じゃあ、何?」

「なんつーか、お前ってよっぽど勉強すんの好きなんだな、っつーか……」

「別に嫌いじゃないからね」

「彰那も神宮くんを見習った方が良いんじゃないの?」

「うるせぇよ。お前に……」

「あ、予鈴だ。またね、彰那、神宮くん」


 話してる俺を無視して、咲都は笑顔で教室に戻っていく。

 なんか、バカにされた感があるけど、咲都に食って掛かっても仕方ない。

 無言で踵を返す神宮を追い掛ける様にして、俺も教室へと足を向けた。