「君と親しくなった憶えは無いんだけどね」


 昼休みの屋上は暑いこの季節も結構賑わってる。

 真夏でも、風が吹けばここはそれなりに涼しい。

 そんな中で俺は、日陰に神宮と並んで座って、購買で買ったパンを囓っていた。


「じゃあ、何でここに居んの?」

「知らないよ」


 今日の神宮は、いつにも増して機嫌が悪い。

 なんだかんだ言って神宮ってヤツは面白いから、俺から話し掛けたり、最近はこうやって一緒に昼飯を食うようになった。

 ほんと、話してて飽きない。

 冷たい視線も言葉も、慣れたっつーか、その本心が何となく分かってきた。

 だから、親しくないとか言われても、そう言うことを直接言われるウチはまだ大丈夫。

 段々、俺ってMなのかも、とか思ってきたけど。


 神宮はいわゆる"ツンデレ"ってヤツで……まぁ、ほぼ"ツン"だらけなんだけど。

 それだけに、時々見せる"デレ"の部分が面白い。

 最近また堤のヤツが何か妙なこと言ってきたけど……気にしたら負けな気がする。