「例えがちょっとアレだけど、"あの高槻を手なずけた"って、言うんだよ。笑っちゃうよねー」

「俺は犬か何かかよ!」

「でもさ、高槻も神宮も、クラスの連中からはちょっと浮いてる感じだったから、俺としては嬉しいよ。馴染んできてる証拠でしょ」


 そういえばコイツ、2組のクラス委員長だ。

 でも、どう考えたら俺と神宮が馴染んでる、ってなるんだ?

 逆に目ぇつけられた感じじゃね?


「夏休み前の球技大会とか、2学期の文化祭とか、これからイベント目白押しだから、クラス委員の俺としては2組の団結力を上げたいんだよね!」


 めざせ、優勝! ってか?

 コイツ、そういうの好きそうだよな……。


「学校生活楽しまなきゃ損だよ! 球技大会、高槻に期待してるからね!」


 元陸上部の俺に何を期待すんだよ。

 球技は苦手だっつーの。


 終始さわやかで暑苦しい笑顔の堤は、俺の肩をバンバンと強く叩いた。

 俺からしたら面倒なことばかりだけど、確かに堤の言うとおり、楽しまないと損かも知れない。