一時限の授業が終わって、短い休み時間。

 授業中に届いた友達からのメールに返信してたら、校内放送で呼び出された。


 面倒くせぇ。


 このまま無視してたら何回も何回も呼び出されて、どうでもいい説教が増えるだけだ、って分かってるから、仕方なく立ち上がる。


 そうだ、神宮……。


 謝ることを思い出して神宮の席を見遣ると、そこにアイツの姿は無かった。

 居ないんじゃ仕方がない、昼休みにするか。

 そう思って教室を出て行こうとしたら、廊下からやってきた神宮と鉢合わせた。


「あ、かみ……」


 俺を無視してすり抜けようとする神宮の行手を阻む。


「邪魔」


 ぽつりと呟かれた声はやっぱり冷たくて。

 俺の事を拒絶している気がして。

 そんな何でもない言葉でさえも、突き刺さる気がした。