「君、運動部じゃないの?」


 扉が閉まるのと同時に俺の前に立った神宮は、なぜかそんなことを聞いてくる。

 つーか……相変わらず、視線が冷たい。

 冷たいというか、表情が、無い。

 そういう言い方がしっくりくる。

 顔が綺麗なだけに、何て言うか……勿体ない。

 咲都みたいに、笑えばいいのに。


「部活? そんなん辞めたよ」

「そう。じゃあ、俺が受動喫煙しない為にも、その煙草消して」

「あ? ああ……」