「あ! お前……っ!」

「君、少しは同じクラスのヤツのこと、憶えたら?」


 相変わらずの冷たい物言いに、その通り過ぎて言い返せない。

 そういや、全然気にしてなかったけど、眼鏡くんとは同じクラスだったんだ。

 クラスで話したことも無いし、余りに接点無くて、気にもしなかった。


「君が、間宮くん?」


 俺を通り越して咲都に話し掛けた、眼鏡くんこと神宮[カミヤ]は、綺麗な笑顔で咲都に手を差し出した。


「よろしくね」

「こちらこそ」


 俺をまたいで交わされる握手に、周囲の視線が集まる。

 要するにこいつらは、学年首位と2番目。

 ライバル?

 それとも、仲間意識?

 頼むからそこに、俺を混ぜるなよ。

 どうせ、頭のイイヤツの話なんて俺には分からないんだから。


 つか、2人して女顔な所為なのか、首位と2位が一緒に居るからなのか……集まった周りの視線が、痛い。

 お前ら、気付いてないだろ。