「ほら、2組10番って書いてあるじゃん」


 ホントだ。

 俺と同じクラスだ。

 でも……神宮なんてヤツいたっけ?

 思い出せない……つっても、まだクラスのヤツらのこと、半分も憶えてないんだけど。


「神宮……なぁ」


 俺と咲都が掲示板に釘付けになっていると、俺の隣に立った誰かが口を開いた。


「"じんぐう"じゃなくて、"かみや"だよ」


 俺と咲都が同時に視線を送ったそこには――


「よく、間違えられるんだよね」


 あの日、俺が締め出しを食らった日に会った眼鏡くんが立っていた。