「彰那はどうだったの?」

「……聞くなよ」

「一緒に勉強しよう、って僕言ったよね」

「煩ぇよ。つか、お前は? どうせまた首位とかなんだろ?」


 俺の言葉に、咲都の顔が曇る。

 なんだよ、答案に名前でも書き忘れたのか?

 掲示板に目をやった俺は、思わず咲都と掲示板と、視線を往復させる。


「え。誰だアイツ。じんぐう……はる? あ?」


 張り出された紙の一番右側にあるのは、「間宮咲都」の名前ではなく、「神宮春親」という知らない名前だった。

 咲都はソイツの隣。

 2番目。


「神宮って、誰だよ」

「誰、って……彰那、同じクラスでしょ」


 あ?

 神宮なんてヤツ、俺、知らねぇけど。