咲都の言葉を素直に受け取れない俺は、自室に籠もった。

 扉を背にして、明かりを点けないまま、ずるずると座り込む。

 ようやく一人きりになって、色々なことが頭を巡り出した。


 何で、こんなことになったんだろう、とか。

 怪我さえしなけりゃ、今まで通り飛べて、咲都だって……泣かせなかった、とか。


 ホント、訳わかんねぇよ。


 陸上部を辞めることに、後悔は無い。

 寧ろ、スッキリする。


 でも。


 もう、跳べないのかと思うと……やっぱり苦しい。

 苦しくて、苦しくて。

 これが、夢だったら、とか。

 どうしようもないことばかり、考えてしまう。