「……あんな風に、されたら……っ、困るんだけど」
「困るったって、お前よがってたじゃん。素直に気持ちイイって言えばいいだろ」
背中に向かって言い返すと、スッと神宮は立ち上がった。
「間宮くんには悪いけど、帰るよ」
「え、神宮、おい……っ」
俺の隣をすり抜ける様にして、神宮は部屋を出ていってしまう。
追い掛ける気にもなれなかった俺は、そのままベッドにダイブした。
手にも、唇にも、まだ神宮の感触が残ってる。
思い出すだけで、身体が熱くなる。
神宮も俺と同じ気持ちなんだと勝手に思ってたけど。
──困る、か……。
神宮のことを欲しいと思う気持ちが、日を追うごとに増していく。
それは決して、おかしなことじゃ無い筈だ。
俺はそのくらい、神宮のことを本気で好きな訳で。
咲都に呼ばれなかったら、あのまま神宮は俺を受け入れてくれてただろうか。
神宮は……──


