「例え間宮くんでも、俺の目の前で、別の人に好きとか言わないでよ……」
気にしてたのはソレか。
アイツ──兵藤は、突然俺に、咲都のことは好きかと聞いてきた。
家族同然に付き合ってきた咲都を嫌いな筈がない。
好きだと答えれば、今度は神宮のことを聞いてきた。
幼馴染みと恋人を比べろ、って、そもそも間違ってんだろ!
つか、人前でそんな告白紛いなこと出来るかよ!
「そーゆーの、ヤキモチって言うんだぜ」
「馬鹿にしないで」
「してねーよ。でもなんか、可愛い」
「か、……っ!?」
反射的に顔を上げた神宮は、耳まで赤くなってる。
そのくらいの言葉でもいちいち反応する神宮が、愛しい。
「すっげー可愛い」
音を立ててキスをすると、困ったような視線がおずおずと俺を捕らえる。
「そんなこと言われても、嬉しくないよ」
「じゃあ、何て言われたら嬉しい?」
「……そんなの、知らないよ」
掴んだままのシャツを引いて、神宮はまた俺の胸に額を付けてきた。
そんな神宮がヤバイくらい可愛くて。
好きすぎて……。


