蜜月 -love is blind-【BL】

「や、大したことねぇよ」

「お前も変わんねーな。部活もケンカもほどほどにして、たまには俺らと遊ぼうぜ」


 じゃあな、と手を振って店を出て行くそいつらを目で追って、俺はジュースを手に取る。


「騒がしい人達だね。友達?」

「遊び仲間だよ」


 神宮からしてみれば、アイツらこそ不良に見えただろう。

 茶髪にピアスに、派手な服。

 いかにも、遊んでます、って感じが見て取れるヤツらだ。


「それより、肩、どうしたの?」

「どうもしてねぇよ。気にすんな」


 この傷のことは神宮には気付かれたくなかったのに。

 アイツ、余計なことしやがって……!!


「嘘だね」


 徐に伸びてきた神宮の手を、俺は思わず取った。


「痛くないなら、触っても平気だよね」


 ぐぐ、と神宮が腕を押してくる。

 たったそれだけの力にも、痛んだ俺の肩は悲鳴を上げる。