蜜月 -love is blind-【BL】

「赤、合うね」

「……そうか?」

「髪の色と合ってるからかな」


 髪……。

 赤い眼鏡を掛けたまま、何とはなしに鏡を見た。

 色を抜いてから結構経つから、髪の根本が黒くなり始めてる。


「やっぱ似合わねぇよ。つか、お前の眼鏡探しに来たんだから、俺のじゃなくて自分の選べよ」

「もう決まってるよ」

「早っ!?」

「迷っても時間の無駄だし」

「何時の間に決めたんだよ」


 一体どんなヤツを選んだのか聞いてみれば、今まで使っていたのと殆ど変わらない、銀の細いフレームの眼鏡だった。