「──じゃあ、今日は神宮くんと二人で出掛けるんだ?」


 食器を片付けながら、咲都が声を掛けてくる。


「神宮の眼鏡を買うのに他のヤツと行ってどーすんだよ」

「神宮くんに、迷惑掛けないようにね」


 咲都の言葉が、少し心に痛い。

 なんせ、今日の俺は腕が動かない。

 しかも、それを神宮に気付かれたくない。

 腕を動かすと、軋むような痛みに顔が歪む。

 そんな俺を見かねた咲都は、救急箱を持って戻ってきた。


「せめて湿布くらい取り替えてから行きなよね」

「……サンキュ」