取り敢えず、咲都に言われたとおりシャワーでも浴びてくれば、少しは気分も落ち着くだろうか。

 寮には大浴場ってのがあるけど、各部屋にも小さいシャワー室がある。

 洗面室でTシャツを脱ぐと、鏡に自分の腕が映った。

 思った通り二の腕が腫れ上がって、肩の方まで痛みが響いている。

 きっと明日は、腕を上げるのも辛くなるんだろう。

 なんていうか。

 俺にはその痛みが、神宮を巻き込んで傷付けてしまった報いみたいなものに思えた。

 思わず、自嘲的な笑みが零れた。


「ちょ……っ、どうしたのその腕!?」


 シャワーを浴びた後、ジャージのズボンを履いただけの格好で決して広いとは言えないリビングに出て行くと、エプロンを着けた咲都が俺を見て固まる。


「なんつーか、色々あって。それよりさ、湿布どこにやったっけ?」


 俺に駆け寄った咲都が、顔を歪めて腕を凝視してくる。