琴夜より一足早く屋上に着く。





恐くてたまらなかった。



本当は別れなんて告げたくないのに。



本当はずっと一緒にいたいのに。







でも、大切な友達を裏切った僕にはそんなワガママは通用しない。









僕は、屋上を一周囲む高い柵をぎゅっと掴んだ。









あの空の向こうに、啓太がいるのかな?





今も僕と同じように琴夜を想っているんだろうか…?





啓太…、僕は君になりたい。





君になって、好きな人から一番に想われることがどれだけ幸せなのか、感じてみたい…。