「結香は記憶を無くしていました。

俺のことも分からなくって……ショックでした。


俺はたまらなくなって結香を抱きしめたんです。


そうしたら俺のこと思い出してくれた……すごく…すごく…嬉しかった。」

俺は空を見たまま微笑んだ。

「君は驚かなかったのかい?結香さんは亡くなってたんだよ?」

俺はうなずいた。

「不思議なんですよ。

全然驚かなかったんです。

その日から結香は俺の部屋に住むことになりました。」

俺の部屋には昨日までいた結香のぬくもりが残ってたいた。

確かに結香はここに居たんだ。