俺は今神田川先生の車に乗っている。

病院に戻る日が来たのだ。
朝いきなり神田川先生が向かえに来た時は驚いたけど…。

「佐上君。元気そうだね。
発作も起こさなかったし…。前のきみの状態だといつ発作が起こってもおかしくなかったのに……。」

神田川先生は首を傾げている。

「元気ですよー!!
走れますし☆」

俺は定番のガッツポーズを取って見せた。

神田川先生はますます不思議そうな顔をした。

「10日間で何かあったのかい?
なんか前より輝いているよ?」

俺は空を見上げて言った。
「ええ…。俺には『10日間の奇跡』が起きたんです。」
「『10日間の奇跡』?」

俺は微笑んだ。

神田川先生は大分不思議がっている。

「天使が舞い降りたんですよ。」