10日間の奇跡

しばらく沈黙の時間が流れた。

沈黙を破ったのは結香だった。

「雷斗……。すごく似合ってる!!
格好いいよ!!」

結香はにっこりと笑った。
「結香もすごく似合ってるよ。見とれちゃった。」

俺がそう言うと結香は顔を真っ赤にさせて下を向いた。

係の人が扉を開けた。

俺と結香は腕を組んで前を見た。

緊張が走る。

同時に喜びもある。

真っ直ぐ伸びる赤い絨毯。
俺と結香は一歩踏み出した。