10日間の奇跡

「雷斗様。セット終わりました。」

「……。えっはい…。ありがとうございます!!」

本当に驚いた。

綺麗にセットされていて、まるで俺じゃないみたいだった。

あまり、堅い感じではなく……

かといってラフ過ぎない。
俺のこの姿を結香はどう言ってくれるか少し緊張した。

係の人はにっこりと微笑むと部屋を出て行った。

「結香……。」

と呟いた俺の目にはいつの間にか涙が溜まっていた。