結香は駅弁を食べ終わると眠りだした。

お決まりで隣の人…つまり俺の肩に頭を乗せて。

結香の髪から俺と同じシャンプーとトリートメントの香りがふわっとした。

俺は結香の頬についていた揚げ物の衣をはらって、結香の寝顔を見た。

俺の肩に頭を乗せているためはっきりとは見えないがすーすーと安心した寝息をたてているから寝心地が悪くはないのだろう。

俺は寝ている結香に呟いた。

「なぁ…結香。俺は『キミイロ』に染まったみたいだよ。

結香は俺の色に染まってくれるか?」

もちろん返事は返ってこなかった。