「もういい。それより、昨日の事を話せ」
あたしは、顔を上げ、高遠先輩を見上げた。
高遠先輩の表情は、先程までの怒りが、おさまっているかのように見えた。
あたしは、2人で飲んでいる時に、話し掛けて来た時の事。
あたし達の名前と職業を知られていた事。
祥子さんが、人質にとられた事。
盗聴器を付けられた事。
今日の連絡があるまで、何もするなと、脅迫された事。
スタンガンでやられた事。
目が覚めて、祥子さんを探したけど、見つからなかった事。
など、昨日の出来事を、思い出せるだけ、詳しく高遠先輩に、話して聞かせた。
そして。
「私と交換なら、最初から、私を狙えばいいのに、わざわざ祥子さんをさらった理由が、わかりません」
と、付け加えた。
「知らない奴なのか?」
高遠先輩は、念を押して聞いてきた。
それはそうだろう。
名前まで知られているうえに、人質交換でも名前があがったのだ。
だけど、あたしには、名前も顔すら記憶がなかった。
あたしは、首を左右に振った。
「記憶にないです。ただ、御大に会って見ないとわかりませんけど」
雇い主が、祥子さんを連れて来るのを希望だって言ってた。
ってことは、祥子さんと御大は、顔見知りの可能性がある。
なんにしても、今のあたしには、無事に祥子さんを救出するのが、第一の目的である。
あたしは、もう一度高遠先輩を見上げた。
「アイツだって刑事さ。簡単には、やられたりしねぇよ」
そう言ってあたしの頭に、ポンと手を置いた。
そして、慌てて走ってきた苫利先輩に、声をかけられた。
「先輩!犯人からです!」
あたしと高遠先輩は、ダッシュしていた。
1台の電話の周りに、大の大人が取り囲んでいた。
「吉井さん!俺が代わる!」
高遠先輩は、電話に駆け寄ると即座に言った。
あたしも1歩遅れて、駆け寄った。
「いや、欄ちゃんご指名だ」
と、あたしを見た。
あたしは、吉井さんを見、高遠先輩を見て、ゆっくり、受話器を受け取った。
「加納です」
部屋の空気が、一辺にして、張り詰めたのがわかった。
あたしは、顔を上げ、高遠先輩を見上げた。
高遠先輩の表情は、先程までの怒りが、おさまっているかのように見えた。
あたしは、2人で飲んでいる時に、話し掛けて来た時の事。
あたし達の名前と職業を知られていた事。
祥子さんが、人質にとられた事。
盗聴器を付けられた事。
今日の連絡があるまで、何もするなと、脅迫された事。
スタンガンでやられた事。
目が覚めて、祥子さんを探したけど、見つからなかった事。
など、昨日の出来事を、思い出せるだけ、詳しく高遠先輩に、話して聞かせた。
そして。
「私と交換なら、最初から、私を狙えばいいのに、わざわざ祥子さんをさらった理由が、わかりません」
と、付け加えた。
「知らない奴なのか?」
高遠先輩は、念を押して聞いてきた。
それはそうだろう。
名前まで知られているうえに、人質交換でも名前があがったのだ。
だけど、あたしには、名前も顔すら記憶がなかった。
あたしは、首を左右に振った。
「記憶にないです。ただ、御大に会って見ないとわかりませんけど」
雇い主が、祥子さんを連れて来るのを希望だって言ってた。
ってことは、祥子さんと御大は、顔見知りの可能性がある。
なんにしても、今のあたしには、無事に祥子さんを救出するのが、第一の目的である。
あたしは、もう一度高遠先輩を見上げた。
「アイツだって刑事さ。簡単には、やられたりしねぇよ」
そう言ってあたしの頭に、ポンと手を置いた。
そして、慌てて走ってきた苫利先輩に、声をかけられた。
「先輩!犯人からです!」
あたしと高遠先輩は、ダッシュしていた。
1台の電話の周りに、大の大人が取り囲んでいた。
「吉井さん!俺が代わる!」
高遠先輩は、電話に駆け寄ると即座に言った。
あたしも1歩遅れて、駆け寄った。
「いや、欄ちゃんご指名だ」
と、あたしを見た。
あたしは、吉井さんを見、高遠先輩を見て、ゆっくり、受話器を受け取った。
「加納です」
部屋の空気が、一辺にして、張り詰めたのがわかった。

