!!!
「いいですね」
そして師範は、あたしから離れた。
伴侶……?
あたしは、呆然と師範を見つめた。
「しばらくは、日本にいますが1度中国に戻ります。欄、たまには顔見せてくださいね。お前の笑った顔を最近見てなくて寂しいです」
と言うと、あたしのオデコに軽くキスすると、アモンに命じて、車椅子を引かせると、倉庫を出て行った。
あたしは、その場に、座り込んだまま、まだ何が起きたのかわからない状態だった。
「よろしいんですか?嘘をついて、大事な片腕に」
車椅子を押しながら、アモンは、孔明に話していた。
「嘘?」
「ピアスを壊したのは、私ではなく、あなたが、腕慣らしにしたのではありませんか」
「あぁ、あれですか。お前の腕と、今の私の実力なんて大差ありませんよ。それにしても……」
と言って、孔明は、クックックッと笑った。
「どうかされましたか?」
「いや、欄の弱点が、相変わらずなので、可笑しくなっただけですよ」
「弱点?アイツにそんなのがあるんですか」
「ありますよ。アイツの弱点は、情にモロイということです」
「情?」
「幼い頃のトラウマですよ。欄は、親と死に別れてますからね。愛情などの情に敏感になってしまっているんです。だから、私が車椅子に座ろうとした時に、無意識に体が動いて私を助けた。私が、抱き寄せても、抵抗すらしなかった。甘いですねぇ」
「……そこまで計算されていたとは」
「欄を取り戻すのなら、どんな手でも使いますよ。とりあえずしばらくは、欄の前では、昔の鱗孔明でいましょう。私の体(義足、義手)もだいぶ動きに慣れてきたみたいなので、また違うリハビリに移ります」
「恐ろしい人だ、あなたは」
「私がですか?恐ろしいのは、私ではなく、欄ですよ。私をこんな男にしあげて、そして、仕込めばまだ未知数の可能性を秘めてますからね。組織に必要な人材ですよ」
「あなたにも、ね」
アモンが言うと、孔明は、ニヤリと笑い遠くを見つめた。
−おわり−
「いいですね」
そして師範は、あたしから離れた。
伴侶……?
あたしは、呆然と師範を見つめた。
「しばらくは、日本にいますが1度中国に戻ります。欄、たまには顔見せてくださいね。お前の笑った顔を最近見てなくて寂しいです」
と言うと、あたしのオデコに軽くキスすると、アモンに命じて、車椅子を引かせると、倉庫を出て行った。
あたしは、その場に、座り込んだまま、まだ何が起きたのかわからない状態だった。
「よろしいんですか?嘘をついて、大事な片腕に」
車椅子を押しながら、アモンは、孔明に話していた。
「嘘?」
「ピアスを壊したのは、私ではなく、あなたが、腕慣らしにしたのではありませんか」
「あぁ、あれですか。お前の腕と、今の私の実力なんて大差ありませんよ。それにしても……」
と言って、孔明は、クックックッと笑った。
「どうかされましたか?」
「いや、欄の弱点が、相変わらずなので、可笑しくなっただけですよ」
「弱点?アイツにそんなのがあるんですか」
「ありますよ。アイツの弱点は、情にモロイということです」
「情?」
「幼い頃のトラウマですよ。欄は、親と死に別れてますからね。愛情などの情に敏感になってしまっているんです。だから、私が車椅子に座ろうとした時に、無意識に体が動いて私を助けた。私が、抱き寄せても、抵抗すらしなかった。甘いですねぇ」
「……そこまで計算されていたとは」
「欄を取り戻すのなら、どんな手でも使いますよ。とりあえずしばらくは、欄の前では、昔の鱗孔明でいましょう。私の体(義足、義手)もだいぶ動きに慣れてきたみたいなので、また違うリハビリに移ります」
「恐ろしい人だ、あなたは」
「私がですか?恐ろしいのは、私ではなく、欄ですよ。私をこんな男にしあげて、そして、仕込めばまだ未知数の可能性を秘めてますからね。組織に必要な人材ですよ」
「あなたにも、ね」
アモンが言うと、孔明は、ニヤリと笑い遠くを見つめた。
−おわり−

