「ケイ、お前の実力は見させてもらいましたよ。お前はいりません」
目線をケイに移し、冷たく付け離す師範がいた。
この人は、昔から変わらない。
使えないと思ったモノは、容赦なく切り捨てるのだ。
行き場の無い拾われた孤児は、捨てられない為に、厳しい修行をつんだのだ。
あたしは、師範が親代わりになってくれていたけど、いつ捨てられるかと、内心怯えていた。
「安心しましたよ」
安心?
「お前の腕が落ちてなくてね。落ちていたら、諦めようと思ってたのですが」
師範が、アモンに助けられながら、車椅子から立ち上がる。
あたしの心臓が、また、ドキドキし始めた。
「戻ってきなさい、欄」
そう言って、右手を差し出した。
あたしは、その右手を見つめた。
子供の頃、よくこうやって差し延べられた手を、握り返していた。
あたしに武術を全て教えてくれた師範。
小さい頃は、その手を必死に掴んだが、今のあたしは、掴むことは出来なかった。
「すみません、師範。あたしは、ここで、自分の生き方を見つけたんです。あの頃の、師範にすがりついているあたしは、いなくなったんです。師範が求めているあたしは、何の役にもたちません。あたしは、師範の思うようには、生きたくないんです」
……殺らなければ、殺やられる。
相手は、師範だ。
車椅子の登場も、油断させる演出のひとつだろう。
あたしは、師範と闘う為に、距離を計った。
そんなあたしの様子に気づいたのか、師範は。
「お前と争うつもりはありませんよ」
と、言うと、アモンに何か命令をすると、アモンは師範のコートを脱がせた。
!!!!!!!
師……範……。
あたしは、師範を見て、言葉を失った。
どうして……い……つ……。
師範の左手が、見えていないといけない場所から見えていなかった。
「あの爆発の時に、失いましてね。ついでに言うと、左足も膝からないですよ」
左手……?
なんで?
まって……なんで……?
師範が……こんな……。
目線をケイに移し、冷たく付け離す師範がいた。
この人は、昔から変わらない。
使えないと思ったモノは、容赦なく切り捨てるのだ。
行き場の無い拾われた孤児は、捨てられない為に、厳しい修行をつんだのだ。
あたしは、師範が親代わりになってくれていたけど、いつ捨てられるかと、内心怯えていた。
「安心しましたよ」
安心?
「お前の腕が落ちてなくてね。落ちていたら、諦めようと思ってたのですが」
師範が、アモンに助けられながら、車椅子から立ち上がる。
あたしの心臓が、また、ドキドキし始めた。
「戻ってきなさい、欄」
そう言って、右手を差し出した。
あたしは、その右手を見つめた。
子供の頃、よくこうやって差し延べられた手を、握り返していた。
あたしに武術を全て教えてくれた師範。
小さい頃は、その手を必死に掴んだが、今のあたしは、掴むことは出来なかった。
「すみません、師範。あたしは、ここで、自分の生き方を見つけたんです。あの頃の、師範にすがりついているあたしは、いなくなったんです。師範が求めているあたしは、何の役にもたちません。あたしは、師範の思うようには、生きたくないんです」
……殺らなければ、殺やられる。
相手は、師範だ。
車椅子の登場も、油断させる演出のひとつだろう。
あたしは、師範と闘う為に、距離を計った。
そんなあたしの様子に気づいたのか、師範は。
「お前と争うつもりはありませんよ」
と、言うと、アモンに何か命令をすると、アモンは師範のコートを脱がせた。
!!!!!!!
師……範……。
あたしは、師範を見て、言葉を失った。
どうして……い……つ……。
師範の左手が、見えていないといけない場所から見えていなかった。
「あの爆発の時に、失いましてね。ついでに言うと、左足も膝からないですよ」
左手……?
なんで?
まって……なんで……?
師範が……こんな……。

