その瞬間に、立ち上がる時にさりげなく抜き取ったナイフを、ケイの右腕に向かって投げた。
ナイフは、火炎口の中に飛び込み、接続管に突き刺さり、微妙な隙間を作り出した。
ケイは、あたしに向かって、また炎を出そうとスイッチを押したが、その瞬間に、ケイの右腕が爆発をおこした。
「うわぁぁぁ!!」
ケイは、悲鳴をあげ、転げ回った。
その隙に、アモンを捕らえようと、向きを変えた所で、あたしの体が金縛りのように動かなくなった。
アモンが、いつの間にか、車椅子の人物の隣に立っていたのだ。
な……んで?
あたしは車椅子の人物を見つめた。
声が出なかった。
「久しぶりですね、欄」
聞き慣れた低音の丁寧な話し方。
黒いスーツに黒いスラックス、黒靴と、いつもの全身黒づくめで車椅子に座っていた。
「どうしたんですか?呆然として」
……生きてた。
やっぱり……生きてた。
あたしの血がザワザワとザワついた。
「師……範」
あたしは呟くと、アモンを見て、また師範に目線を向けた。
車椅子に座っているのは、紛れも無く、麟孔明だった。
あたしは、冷静さを取り戻した。
突然現れていたら、まだショックを隠しきれないだろうけど、発信機付きの真珠のピアスを壊された日から、いつかは現れるだろう。と、予想はしていた。
ただ、あれから何の変化もなく日常が過ぎて、今回の祥子さん誘拐だった為、師範が裏で糸を引いていたとは頭から考えていなかったのだ。
「久々の再会に、もっと喜んでくれると思ってましたが?」
師範は、車椅子から下りず話した。
「喜ぶ?そんなわけないじゃないですか。あの爆発の時に、二度と会うことはないと思ってましたし、ピアスを一発で壊すなんて、師範くらいしか出来ないと思ってましたから」
「私が、お前の前に現れる理由なんて、ひとつだけですけどね。今のナイフ見事でしたよ。訓練は続けているようですね。ピアスを壊したのは、私ではありませんよ、アモンです」
とさらっと言ってのけた。
そして、目線をケイに向けた。
ピアスを壊したのが、師範じゃなくてアモン?やっぱりただ者じゃない。
ナイフは、火炎口の中に飛び込み、接続管に突き刺さり、微妙な隙間を作り出した。
ケイは、あたしに向かって、また炎を出そうとスイッチを押したが、その瞬間に、ケイの右腕が爆発をおこした。
「うわぁぁぁ!!」
ケイは、悲鳴をあげ、転げ回った。
その隙に、アモンを捕らえようと、向きを変えた所で、あたしの体が金縛りのように動かなくなった。
アモンが、いつの間にか、車椅子の人物の隣に立っていたのだ。
な……んで?
あたしは車椅子の人物を見つめた。
声が出なかった。
「久しぶりですね、欄」
聞き慣れた低音の丁寧な話し方。
黒いスーツに黒いスラックス、黒靴と、いつもの全身黒づくめで車椅子に座っていた。
「どうしたんですか?呆然として」
……生きてた。
やっぱり……生きてた。
あたしの血がザワザワとザワついた。
「師……範」
あたしは呟くと、アモンを見て、また師範に目線を向けた。
車椅子に座っているのは、紛れも無く、麟孔明だった。
あたしは、冷静さを取り戻した。
突然現れていたら、まだショックを隠しきれないだろうけど、発信機付きの真珠のピアスを壊された日から、いつかは現れるだろう。と、予想はしていた。
ただ、あれから何の変化もなく日常が過ぎて、今回の祥子さん誘拐だった為、師範が裏で糸を引いていたとは頭から考えていなかったのだ。
「久々の再会に、もっと喜んでくれると思ってましたが?」
師範は、車椅子から下りず話した。
「喜ぶ?そんなわけないじゃないですか。あの爆発の時に、二度と会うことはないと思ってましたし、ピアスを一発で壊すなんて、師範くらいしか出来ないと思ってましたから」
「私が、お前の前に現れる理由なんて、ひとつだけですけどね。今のナイフ見事でしたよ。訓練は続けているようですね。ピアスを壊したのは、私ではありませんよ、アモンです」
とさらっと言ってのけた。
そして、目線をケイに向けた。
ピアスを壊したのが、師範じゃなくてアモン?やっぱりただ者じゃない。

