加納欄の奪還 シリーズ25

そんな簡単な挑発に、男の顔色が、変わる。


あんたが、先にけしかけてきたんでしょ(-_-)


あたしは、男に無言で、ツッコミを入れた。

「ほざけっ!」

男は、あたしに向かって、キックを入れてきた。

だが、届かない。

あたしは、相手との攻撃の距離を保っていたのだ。

何か仕掛けられても、1発目は、軽く交わせたのである。

男はそれに気づかず、勢いよくキックをした足が届かず、そのまま地面に着地した。

端から見たら、カッコ悪い。

「おい!よさないか!無傷で連れて来る事が、俺達の仕事だぞ!」

「気に入らねぇんだよ。大体にして、なんでこんな奴連れて来るのに、こんな手のこんだことしなきゃいけねぇんだよ」

「ボスの命令だ」

「お前だって納得いってねぇんだろ。ボスに会わせる前に、どれ程の実力か、軽くアイサツするくらいいいだろうが」


ボス?


ボスってのが、あたしの事を知ってるわけね。


結局、狙いはあたしだったわけ。


祥子さん盾にして、やり方が汚いよ!ホントに!


実力って、あたし随分と、そのボスとやらに買い被られてる?


ということは、過去に締め上げた事のある暴力団・ヤクザ関係?


その手合いだったら、こんな手のこんだことしないで、後ろからズドーン!だよね(-.-)


「顔は、傷つけるなよ」


女の子だから?それとも、この件をボスとか言う人に知られたくないから?


聞き返そうとしたが、男が構えの体制をとった。

「あたしが勝ったら、逃げていいってこと?」

さらに、挑発を続けてみる。

「逃げる?笑わせんなよ」

「3分でケリをつけろ。それ以上は……いや、ケイ手合わせは、やめだ」

あたしの後ろにいた男は、ケイという名前らしい。

突然止められたケイは、怒鳴った。

「なんでだよ!アモンだってOK出したじゃねぇかよ!」

アモンと呼ばれた男は、チラリとあたしに目線を送ると。

「この女の時間稼ぎだ。下水道にいる間は、俺達に不利な事はわかるだろ」


やだぁ〜f^_^;


やっと、気づいたのぉ(>_<)