一瞬にして、命を奪う道具なんて、この世から無くなればいいのだ。
拳銃なくたって、この世は、生きていけるし、犯人だって逮捕出来るのだ。
ロッカールームから出ると、署内の公衆電話に向かい、ある人物に電話をし、あることを依頼した。
話し終わると、あたしはまた、皆がいる場所へと戻った。
「すみません、用意出来ました」
あたしの声に、皆が振り向いた。
「その格好で行くのかい?」
吉井さんに言われたが。
「はい。ある程度動きやすいほうが」
と答えた。
大山先輩が、チラッとあたしの腿を見たが、無視をした。
大山先輩も、何も言わなかった。
「そろそろ行きます」
下見兼ねて早めに出ることにした。
管轄が違うため、S署にも報告をし、応援を頼んでいた。
そこは課長の、腕の見せ所である。
「欄ちゃん、これ」
苫利先輩が、慌てて、あたしにある物を手渡した。
黒いカチューシャだった。
「ごめん。まだ、ピアス完成してなくて、とりあえず、これも、前に作った発信機内蔵なんだ。性能にこだわりすぎて……」
苫利先輩が、話すのをやめてしまった。
あたしは、受け取ったカチューシャを見て。
「ここ、ですよね」
と、飾りなのか、ゴミなのか、発信機を1発で見抜いた。
「う、うまくごまかしてくれよ」
苫利先輩が、慌てた。
「……ありがとうございます。使わせて頂きます」
「欄君、なんなら、警棒持って行くかい?」
鮎川さんが、言った。
「警棒、ですか?」
「何か、身を守る為に必要だろう」
「ありがとうございます。でも、すぐに取られちゃいそうなんで」
あたしは、丁寧に辞退した。
皆がさりげなく、気を遣ってくれているのがわかる。
しかも、祥子さんを目の前でさらわれた事に関しては、誰も非難しない。
あたしは、こんな仲間に甘えさせてもらいながら、仕事をしている。
だからこそ、今回は、全責任自分で取るため、冷静な判断力と冷酷な心が、必要なのだ。
すべき事はひとつ。
あたしは、頭の中で、も一度唱えた。
拳銃なくたって、この世は、生きていけるし、犯人だって逮捕出来るのだ。
ロッカールームから出ると、署内の公衆電話に向かい、ある人物に電話をし、あることを依頼した。
話し終わると、あたしはまた、皆がいる場所へと戻った。
「すみません、用意出来ました」
あたしの声に、皆が振り向いた。
「その格好で行くのかい?」
吉井さんに言われたが。
「はい。ある程度動きやすいほうが」
と答えた。
大山先輩が、チラッとあたしの腿を見たが、無視をした。
大山先輩も、何も言わなかった。
「そろそろ行きます」
下見兼ねて早めに出ることにした。
管轄が違うため、S署にも報告をし、応援を頼んでいた。
そこは課長の、腕の見せ所である。
「欄ちゃん、これ」
苫利先輩が、慌てて、あたしにある物を手渡した。
黒いカチューシャだった。
「ごめん。まだ、ピアス完成してなくて、とりあえず、これも、前に作った発信機内蔵なんだ。性能にこだわりすぎて……」
苫利先輩が、話すのをやめてしまった。
あたしは、受け取ったカチューシャを見て。
「ここ、ですよね」
と、飾りなのか、ゴミなのか、発信機を1発で見抜いた。
「う、うまくごまかしてくれよ」
苫利先輩が、慌てた。
「……ありがとうございます。使わせて頂きます」
「欄君、なんなら、警棒持って行くかい?」
鮎川さんが、言った。
「警棒、ですか?」
「何か、身を守る為に必要だろう」
「ありがとうございます。でも、すぐに取られちゃいそうなんで」
あたしは、丁寧に辞退した。
皆がさりげなく、気を遣ってくれているのがわかる。
しかも、祥子さんを目の前でさらわれた事に関しては、誰も非難しない。
あたしは、こんな仲間に甘えさせてもらいながら、仕事をしている。
だからこそ、今回は、全責任自分で取るため、冷静な判断力と冷酷な心が、必要なのだ。
すべき事はひとつ。
あたしは、頭の中で、も一度唱えた。

