とにかく、祥子さん救出まで、後3時間、やるべきことはやっておかないと。
「おい、ピアスどうした?」
「前に壊れて、そのままです」
大山先輩に聞かれて、あたしは答えた。
発信機付きのピアスは、前に襲撃を受けた時に破壊され、苫利先輩に報告をしたが、その後、苫利先輩も何かと忙しいらしく、新しいピアスは、届いてなかった。
「アイツ何してんだよ」
大山先輩が、文句を言ったが、あたしは、まぁまぁと、大山先輩をなだめた。
「欄、いつも言ってる事だけどなぁ。一人で突っ走るんじゃねぇぞ」
毎度のお説教が、始まった。
「わかってますって。今回は、祥子さんの救出が第一ですから。無事に交換してみせますって」
おどけて、言ったわけではなかった。
大山先輩の顔を見たら、マジな顔付きをしてあたしを見ていた。
「……大丈夫ですよ。祥子さんは、必ず、取り戻しますから。高遠先輩と、待ってて下さい」
「お前の心配してんだよ」
「…………」
なんて答えればいいのかわからなかった。
そして、大山先輩は、優しく無言で抱きしめてくれた。
あたしは、自分から、大山先輩と離れると、ロッカールームへ歩いて行った。
顔が赤くなってるのがわかった。
でも、いまのあたしに必要なのは、冷静な判断力と冷酷な心だった。
ロッカールームの鏡を覗き込み、自分の瞳だけを、見つめた。
スベキコトは一つ。
祥子さんの救出のみ。
あたしは、気持ちが落ち着いたことを確認した。
ロッカーの奥に隠している箱を取り出し、中から細革のベルトを取り出し腿に巻き付け、細長い短剣をベルトに挿していった。
そして、長ズボンから膝上の短いパンツにはきかえた。
膝上でも、この長さだったら充分に短剣は隠れた。
これは、武器は何も持ってないよ。と、多少印象付けるには有効。
確認されたらアウトなんだけどね(__)
確認されないことを祈りましょう。
小型ナイフを1本袖口に隠し、テープで固定した。
その上に、グレーのパーカーを羽織った。
戦闘準備は整った。
拳銃は言われた通り持って行かない。
だいたい、あたしは拳銃は苦手だった。
「おい、ピアスどうした?」
「前に壊れて、そのままです」
大山先輩に聞かれて、あたしは答えた。
発信機付きのピアスは、前に襲撃を受けた時に破壊され、苫利先輩に報告をしたが、その後、苫利先輩も何かと忙しいらしく、新しいピアスは、届いてなかった。
「アイツ何してんだよ」
大山先輩が、文句を言ったが、あたしは、まぁまぁと、大山先輩をなだめた。
「欄、いつも言ってる事だけどなぁ。一人で突っ走るんじゃねぇぞ」
毎度のお説教が、始まった。
「わかってますって。今回は、祥子さんの救出が第一ですから。無事に交換してみせますって」
おどけて、言ったわけではなかった。
大山先輩の顔を見たら、マジな顔付きをしてあたしを見ていた。
「……大丈夫ですよ。祥子さんは、必ず、取り戻しますから。高遠先輩と、待ってて下さい」
「お前の心配してんだよ」
「…………」
なんて答えればいいのかわからなかった。
そして、大山先輩は、優しく無言で抱きしめてくれた。
あたしは、自分から、大山先輩と離れると、ロッカールームへ歩いて行った。
顔が赤くなってるのがわかった。
でも、いまのあたしに必要なのは、冷静な判断力と冷酷な心だった。
ロッカールームの鏡を覗き込み、自分の瞳だけを、見つめた。
スベキコトは一つ。
祥子さんの救出のみ。
あたしは、気持ちが落ち着いたことを確認した。
ロッカーの奥に隠している箱を取り出し、中から細革のベルトを取り出し腿に巻き付け、細長い短剣をベルトに挿していった。
そして、長ズボンから膝上の短いパンツにはきかえた。
膝上でも、この長さだったら充分に短剣は隠れた。
これは、武器は何も持ってないよ。と、多少印象付けるには有効。
確認されたらアウトなんだけどね(__)
確認されないことを祈りましょう。
小型ナイフを1本袖口に隠し、テープで固定した。
その上に、グレーのパーカーを羽織った。
戦闘準備は整った。
拳銃は言われた通り持って行かない。
だいたい、あたしは拳銃は苦手だった。

