総長とワタシ

美空ちゃんの部屋の前に来て俺と隼斗の足が止まった……

「隼斗…なんで美空ちゃんの名札ないんだ?」

「……」

ガラッ
「美空ちゃんっ!!」

居ない……

「俺ナースステーションで聞いてくる!」

隼斗が行ってから俺は立ち尽くしていた。

美空ちゃんが…居ない。
空のベット。
荷物もなにもない。

「た、拓磨っ!美空ちゃん朝一退院したって」

「………」

「俺らが昨日話してた事…聞いてたのかもしれねぇな…」

「……」

「拓磨っ!」

俺は放心状態だった。