「ここですか?」
607とかいてある扉の前で、
確認する様に佑太が言う。
あたしは頷くと、
鞄から鍵を取り出した。
「俺開けます」
佑太はあたしの手から鍵をそっととると、
てこずりながらも鍵を開けた。
「ベットは?」
もう声を出すのもしんどくて、
あたしは指をさすだけになってる。
「横になれますか?」
ベットの前でそう言われ、
「大丈夫」とあたしは自分で横になった。
佑太はあたしの足元らへんに座って、
悲しげな表情で俯いている。
「佑太の……せいじゃないから」
もし自分のせいで…とか思ってるなら、
それは違うから。
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