教室に入ったあたしは、 そのまま席に座る。 そして気晴らしに 空を見ていた。 すると―。 「佑太ー」 聞き慣れた名前に、 あたしは声のした方に目を向ける。 あたしの視線の先に居たのは、 佑太君の腕に自分の腕を絡める女子だった。 「…やっぱりね」 彼女いるんじゃん。 こっちから2人の顔は見えないけど、 2人の醸し出す雰囲気がそれを物語っていた。 やっぱりあたしが合ってたよ。 あんなカッコよくて人気者で、 輝いてる人が、 あたしなんかを好きになるはずがないんだよ。 .