君とあたしと…彼。

自転車に跨り、
見慣れた風景を
風と一緒に眺める。



「有紗、伝言なんだけど」

「ゆうから?」

「そぅ…会えないって」

「……ん」



そんなことわかってる。


だっていつものことだもん。
喧嘩に関われない…。

それもそうだよね。


…あたしのためでもあるから。



「強くなったな~」


大地の言葉にあたしは
身近な背中を見つめた。